2005年08月31日

台風一過(4)

にゃにゃこを安置した居間で、
その夜は両親も私もこれからのことばかりを話した。

明日は何時に起きよう。持たせるおもちゃを用意しとかなきゃ。
きっと腹ペコだからご飯は皿いっぱい山盛りにしよう。
今着てるタンクトップも入れよう。

振り返ったら持たないのがわかっていたから、全員が明るかった。
にゃにゃこの傍を通るときは生きているときと同じように声をかけ、
しゃがみ込んで頭を撫でた。
枕元に置いた水とご飯の器、そしてコスモスとお数珠。おもちゃのネズミもあった。
体の上には食事のときに使うナイフ。
にゃにゃこは体が小さくて可愛いからこのナイフだと母が乗せたのだけど、
本当に守り刀の役割を果たせるのかねと思えるくらい可愛かった。

いつもは23時過ぎに父が、0時近くに母が就寝する。
当然というか何というかその日は2人とも遅くまで起きていた。
特に母は半分寝ながらも1時半過ぎまで起きていて、
これは我が家にとってはミラクルだった。
私が起きているから寝ていいよと何度も言うと、ようやく寝室へ行った。
にーすけは既に私の部屋で寝ていたので、私はにゃにゃこと2人きりになった。

謝る以外に何を話したろう。思い出せない。

にゃにゃこごめんね。ごめんね。
痛かったね。辛かったね。
お姉ちゃんのこと恨んでいいよ。化けて出てきていいよ。
許さなくていいよ。
だけどごめんね。ごめんね。

同じことを何度も思った。
一人になると理性の糸が切れて泣いてしまう。
声を殺していたので眼が飛び出るかと思った。
飛び出たなら飛び出たで構わないとも思った。

4時過ぎ頃だったか、トコトコとにーすけがやってきた。
にゃにゃこの前に座り、寝ているにゃにゃこをじっと見つめていた。
にーすけなりにお別れをしているかのようだった。
にゃにゃこの匂いをかぎ、枕元のご飯の匂いをかいで、また去って行った。
ご飯を食べるかと思いきや、我慢したのが偉かった。

気づいたら床にベッタリと張り付くようにして、
にゃにゃこの傍で寝てしまっていた。
徹夜するつもりでいたのに、連日の徹夜状態が災いした。
それでも6時40分には間に合い、手を合わせた。

あと3時間もない。
その先を考えないようにしながら用意を始めた。
まずはご飯の準備。
冷蔵庫から甘エビ・マグロ・ターキー・牛ヒレ肉を取り出し、
食べやすいようにと細かく切り始めた。
posted by 6 at 13:57| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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